焼きばめホルダ割れ

焼きばめホルダ割れ

エッセイ

2020.11.30

当社で焼きばめのホルダを初めて使ったのは、いつだったかは正確に覚えていませんが、少なくとも16~17年は経過しています。

この16~17年という長い期間に焼きばめホルダが割れてしまう現象は初めての体験になります。

下の画像は、分かりにくいかも知れませんが、割れた焼きばめホルダです。

エンドミルを挿入する口元から首下の付け根まで割れが発生

単に経年劣化なのか、熱する温度に問題があるのか、冷却方法に問題があるのか、現時点では要因は明確につかめていません。

当社では、切削工具を焼きばめホルダへ装着するには、焼きばめ専用の過熱ヒーターは使用しておらず、ガストーチバーナーを使って急加熱をして、切削工具が挿入できるまで加熱を続けているので温度管理はしていません。

そして、焼きばめ装着したホルダを一気に水冷冷却しています。

これにより、精度的な劣化は想像していたのですが、金属なので弾性や塑性性があり、切削で加わる応力程度で割れることはないと考えていました。

焼きばめホルダ自体は、何回ぐらいの着脱を繰り返したかは全く把握していません。

今回、割れてしまった焼きばめホルダは肉厚1.5㎜のもので、肉薄という事も割れやすい要因の1つかもしれません。

肉厚1.5㎜の焼きばめホルダ(内径φ6)

今回、割れの発見に至ったプロセスは、

  • エンドミルを焼きばめホルダでチャッキング
  • エンドミルの振れ精度確認 ⇒振れなし
  • 実際の加工で使用
  • エンドミルの磨耗状態を確認 ⇒磨耗なし
  • このまま次も加工できるが念のため振れ確認
  • 振れ量が最大60μ(ミクロン)
  • 焼きばめホルダを確認すと割れを発見
  • 加工物は振れ量分の30μ程度、喰込み方向であることを確認

という流れでした。

ここから分かることは、焼きばめホルダにエンドミルを装着した直後は、割れが発生していなかったが、加工が開始されるまでの数十時間までに割れてしまったということです。

非常に軽切削で応力が非常に少ない加工内容でしたので、加工途中に割れたとも考えにくいです。

長年の経験で、焼きばめホルダの割れは初の体験なので、すぐに何らかの改善をしなければならないとは思っていません。

しばらくは静観して、同じようなことが発生するようなら、熱を測定したり、急冷を改善したりと、色々と試みなければならないと考えています。

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