金型部品へ文字の彫刻
加工技術
2019.09.16
金型部品のキャビティ形状に文字の彫刻をしなければならないことがあります。
マシニングセンターで、形状加工をした後で彫刻機などの別の工作機械に加工ワークを乗せ換えて、文字の彫刻加工のみを行うのは手間が掛かるし、工程が増えることで不良の要因につながってしまうこともあります。
榮製機 金型事業部では、よほどのことがない限り、マシニングセンターでキャビティ加工をした後で、そのままキャビティ曲面上に文字の彫刻加工を施します。
当社で彫刻する文字は、小さな文字が比較的多いので、工具は小径のものを使用する必要があります。
小径工具を使用することで、スピンドルは高速回転させなければならないし、切削条件は落とさないと工具が破損してしまいます。
それに、購入した切削工具の破損が続くと、工具費もばかにならなりません。
当社では、不要になった超硬工具の端材を利用して、自社で工具を研削し、彫刻用の切削工具を作っています。
円筒状の超硬工具に角度をつけて4面カットして、ピラミッド状の四角錐を作り、出来上がった凸のピン角部を刃物として、マシニングセンターでキャビティ加工をした後で、そのまま文字彫刻加工をします。
「こんなのが工具として成り立つの?」「切れるわけないよ!」と思う方もいるでしょうが、トップの画像がこの彫刻工具を使用して加工したものです。
加工バリも少なく、キレイな加工ができていると自負しています。