水溶性切削油の希釈法
加工技術
2019.09.04
マシニングセンターやNCフライス盤などで使用する「水溶性切削油」は希釈水と原液を撹拌(かくはん)させて作成します。
撹拌とは:かき混ぜること
以前はペール缶に水を貯めて、その中に水溶性切削油の原液を入れて、棒で撹拌して、推奨希釈濃度になっているか確認し、出来上がった切削油を工作機械に投入する、を繰り返し行っていました。
ペール缶で1度に作れる切削油はせいぜい15ℓで、150ℓを作りたければ10回繰り返さなければなりません。
作業者にとっては重労働であるし、マシニングセンターオペレーターが作成することがほとんどであるため、水溶性切削油を希釈している時間は非常にもったいなく感じていました。
自動撹拌機を考えたこともありましたが、高価であると共に設備を置く場所もないため、導入は見送りました。
希釈水と原液を撹拌させられることができればいいんじゃないか?という考え方で、洗濯機でも代用できるのではないかと思い、試すことにしました。
サイズ的にも問題ないし、中古品ならそれほど高価ではないし、試す価値はあると判断して、中古店でなるべく安く、なるべく大型な洗濯機を買ってきました。
試してみると十分使い物になる切削油が作れました。
少しの時間を作って、洗濯機で撹拌させ、止まったらドラム缶に移して保管しておき、切削油が必要になったときに、ドラム缶からそれぞれのマシニングセンターなどへ投入するやり方に変更しました。
誰でもできるこの作業は、今ではマシニングセンターオペレーター以外の人でも行い、少しでも負荷が分散できるようになりました。