工具(ドリル)の管理
エッセイ
2019.10.16
加工をするために必要なドリルを探すと
「あれ?ドリルがないぞ」
こんなことはよくあることで、お目当てのドリルが本当にあったのか、誰かが使っているのか、破損等で無くなってしまったのか、ドリルが存在しているはずだと記憶違いしているだけなのか、工場内を探したり人に聞いて回ったりして、時間を「浪費」している。
ドリルがないと思って新規で購入したら、他の誰かが使っていたり、返却忘れしているだけだったり、買わなくてもよかったものを買ってしまい、お金を「浪費」している。
ドリルなどの切削工具は、不特定多数の人が使うため、一人ひとりの工具への責任感は薄れてしまいがちで、時間が経過するにしたがって、少しづつ工具の管理が乱雑になっていく。
だからといって工具管理をガチガチなルールで行ってしまうと、ルールに苦しめられ、管理することばかりに時間をとられてしまうことをきらい、忙しい現場の作業を優先してしまって、結局ルール通りに管理できないことが繰り返される。
当社にとって、適度な工具管理はどこなのか、色々と手探りしながらアップデートしてきた。
そして現在、工具管理を再構築している最中だ。
まず始めに、必要な工具と使うことはないだろうと思われる工具の選別をした。
必要な工具は、探しやすいように外径のサイズで順番に工具棚へ置き場所を明確にして並べ、工具が増えたり減ったりしたときのために、工具の定位置はフレキシブルに移動や追加ができるようにした。
使うことはないだろうと思われる工具は、取り出しやすい必要はないし、十分な管理はしなくてもいいから、保管場所と工具外径の範囲を分類して、保管しておくことにする予定だ。
工具棚から工具を借りていく場合は、工具の定位置に貸出ピンを置いておき、この工具が貸し出していることが分かるようにしている。
貸出ピンは、工具を使う可能性が高い人のものを用意しておき、誰が借りているのかも分かるようにした。
これにより工具棚に、工具または貸出ピンが整然と並んでいる状態になるので、一目で異常が分かり、目で見る管理ができる。
少しぐらい汚れた手のままで借りられるので、現場の人でも比較的受け入れやすと感じている。
大切なことは、工具が増えたり減ったりしたときに定位置をメンテナンスすること、定位置に何もないなどの異常な状態のときに放置しないこと。
そのために管理責任者だけではなく、工具を借りていくすべての人が、正常な状態がどういった状態かを明確に理解し、異常を発見したときに自分で対応できるところは対応し、自分で対応できないことは管理責任者に報告をすることが大切になる。
問題点がでたら改善していき、よりよい工具管理ができるようにアップデートを続けて、無駄な時間やお金を「浪費」しないようにする必要がある。