マシニングセンター ピッチ補正

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2019.10.29

修理までの流れ

金型部品を製作していく過程で、1つの部品を完成させるプロセスで、複数の加工機を加工方向によって使い分ける場合がしばしばあります。

800㎜という大きさの部品加工をした際に、加工機①でやるべき加工を行い、その後で加工機②へ加工方向を変えて段取りをし、加工機①で加工した部分のピッチ測定をすると、X軸のピッチ寸法が最大50μ(0.05㎜)程度の差が出てしまいました。

考えられる要因は

  1. 加工機①のX軸位置決めピッチに問題がある
  2. 加工機②のX軸位置決めピッチに問題がある
  3. 加工機①と加工機②のX軸位置決めピッチがそれぞれで少しづつ反対方向にズレている

の3パターンの内いずれかになります。

榮製機 金型事業部の「ものさし基準」としている、三次元測定機で測定してみると、加工機①の位置決めピッチに異常があることが分かりました。

加工機①が導入され、13年半年が経過していますが、まだまだ現役を続けなければならない機械なので、このまま加工機①を使い続ける訳にもいかず、工作機械メーカーに来てもらい、調査をしてもらいましたが、メカ的な調整では治る見込みがないとの診断で、日を改めて調整が必要となってしまいました。

次の機械調整までにしばらく日程の都合がつかないとのことでしたが、その間機械が止まったままにしておくことはできないので、寸法精度の緩い小物を中心に稼働させていました。

実際の修理

いよいよX軸のピッチ補正が行われる日がやってきました。

まずは工作機械自身のレベル調整を行いました。

レベルは随分くるっていて、X軸の位置決めピッチ精度が悪かった要因は、レベルが出ていないことによる影響も大きかったと考えられます。

レーザー測定によるピッチ測定で、やはり位置決め精度は出ていなかったので、ピッチエラー補正を実施しました。

大きなピッチエラーが出ていたのは、X軸だけでしたが、Y軸とZ軸についても補正をし、X軸の同期微調整とクサビ調整も実施しました。

レーザー測定①
レーザー測定②

調整後にテスト加工を実施し、当社の三次元測定機にて測定をしピッチ確認をしたところ、目標ピッチに対し3μ(ミクロン)の誤差でおさまっていたので、修理・調整を完了としました。

トータル3日間、22.5時間という大掛かりな修理・調整となりました。

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