マシニングセンターで穴加工
~ドリル(レギュラー形)~
加工技術
2019.09.12
ドリルについての説明
工具メーカー:OSG
型番:VP-GDR (スーパープレミアムハイス レギュラ形)
コーティング:V (TiCN)
先端角度:120゜
工具(ドリル)の特徴と当社が選んだ理由
炭素鋼、合金鋼、調質鋼(~35HRC)、工具鋼、鋳鉄、と幅広いワーク材に適したドリルで、当社でも頻繁に使用するワーク材を、ほとんどこの1種類のドリルで対応できる。
VPH-GDR (調質鋼用粉末ハイス レギュラー形) は特定代理店在庫品で入手できないケースも多く、 VP-GDR (スーパープレミアムハイス レギュラ形) の方が入手が容易で、さらに安価であるため。
ドリルの母材はハイスであり、超硬のような硬さはないが、超硬ドリルのような刃こぼれが起きにくいので、マシニングセンターでの無人穴あけ加工でも安心・安全に加工を 行える。
万一、穴あけ加工中にドリル折れが発生した場合、当社では放電加工で折れたドリルの除去をすることがほとんどで、超硬ドリルの場合は放電で工具除去するには、非常に時間がかかるのでこれを懸念してハイスドリルを選択した。
V (TiCN) コーティングは、
- TiN層にTiCN層を皮膜させた複層構造により、TiNコーティングに比べより高い硬度が得られる。
- ハイス工具の高速化、長寿命化に有効。
その他注意点
ドリルの振れを 0.03㎜ 以下に抑える。
加工時の「回転数」「送り速度」は、カタログ値(切削条件表)を参考にして、一部当社で調整しており、ワークの材質によって切削条件を変えている。
固定サイクルは「G83」を使用。
「G83」や「G73」を使用してステップ加工すると、切粉かみが要因だと思われるドリル先端の欠けが、ときどき発生することががあり「G81」に変更しようか現在検討中である。
「G81」に変更しても切削液がドリル先端に十分供給出来ていれば問題はないのだが、横型マシニングセンターは十分な供給が出来ない可能性が高い。
ステップ(Q)は0.5×D(工具直径)としている。(φ8ドリルの場合はQ=4.)
ドリルの再研、再コーティングは社内で行わず、業者に依頼することで安定した精度と工具寿命を実現する。
関連記事①:マシニングセンターで穴加工~ドリル(スタブ形)~
関連記事②:マシニングセンターで穴加工~センターもみ~