指向性凝固
エッセイ
2020.07.23
当社で製作する多くの金型はアルミ鋳物用の金型です。
指向性凝固について、簡単に説明します。
「簡単に説明」と言うよりは、当社は鋳造設備を保有していないですし、鋳造技術も鋳造知識も決して多くはありませんので、学んでまとめたことを記しておきます。
鋳物を全体的に同時期に凝固させることよりも、一定方向に順次凝固させる凝固形態を「指向性凝固」と呼びます。
当社で製作している金型は、溶湯(液体状の)アルミを金型内に流し込んで、凝固した粗材を取出すタイプの金型を製作しています。
溶湯アルミは、凝固するときに体積収縮する性質があり、鋳物の外側から内側に向かって凝固していくので鋳物の中心部分には凝固収縮によって「ヒケ」や「巣」が発生してしまい、鋳物不良になる可能性が高くなります。
これを抑制するため金型に冷却を設置したり保温を設置して、鋳物不良にはならない 「任意の場所」に「ヒケ」や「巣」を作ることが大切になります。
つまり、鋳造においては指向性凝固はとても大切な考え方になります。