塗型について
加工技術
2020.01.28
榮製機 金型事業部のメイン事業は、鋳造用金型や鋳造用金型部品の製作・修理・改造になります。
金型を使って鋳造をする際には、金型の形状部になる表面に「塗型」と呼ばれる被膜を塗ります。
「塗型」の役割としては、金型の表面に鋳造製品の粗材となる溶湯アルミの熱から金型を守るため、離型性を向上させるため、鋳肌の面粗度を向上させるため、流動性を向上させるため、焼き付け防止のためなど、鋳物の品質をより良いものにするために大切な役割を持っています。
耐熱性や耐久性を追求するために、塗型材を2層に分けて施工する場合もあります。
「塗型」は予熱した金型に対し、スプレーや刷毛などの手作業で施工するのが一般的で、熟練の職人さんが施工しても指定された塗型膜厚を均一にすることは難しいと言われています。
「塗型」の施工厚みは膜厚計を用いて膜厚を測定します。
塗型材の種類や塗型膜厚は、鋳造現場の経験値で決定することが多いのですが、近年では塗型材と膜厚を変えて試験した結果とCAE解析とを組み合わせてデジタル的に最適なものを見つける手法もあるそうです。
当社は塗型の施工は実施できませんが、低圧鋳造や重力鋳造には不可欠な「塗型」について学んだことを書き留めておきました。