塗型カバー
加工技術
2020.04.20
「塗型」とは、鋳造製品の粗材となる溶湯アルミの熱から金型を守るため、離型性を向上させるため、鋳肌の面粗度を向上させるため、流動性を向上させるため、焼き付け防止のためなど、鋳物の品質をより良いものにするため、金型の表面に 施工する被膜のことです。
溶湯アルミが接触する部分に「塗型」の施工は必要で、金型のパーティング面には必要ありません。
むしろ、パーティング面には「塗型」は無い方がよいでしょう。
「塗型」はスプレーのように吹き付けて被膜することが多く、パーティング面にもしっかりと塗布されてしまいます。
そこでパーティング面を隠し「塗型」が塗布されないような『塗型カバー』があると便利です。
パーティング面を隠すだけのものなので、実際の金型を使い、鉄板を切断して溶接で貼付けたり、鉄板を曲げたりして製作することも可能です。
この作り方のデメリットは、実際の金型を使うので、長期間『塗型カバー』製作用に貸し出しが必要になり、その間は鋳造出来ない事と、金型に対し現合で製作しているので精度は期待できないという点です。
この問題を解決する方法として、3Dモデルを使って『塗型カバー』の部品を設計し、レーザー加工で鉄板を切り出して、データをメインにして部品製作をしてしまいます。
この部品を組立図に沿って主に溶接で鉄板同士を接合していくことで、精度のよい『塗型カバー』が合わせ込み用の金型が無くても製作することが可能です。
実際は最終確認で、金型を使っての合わせ込み、微調整は必要とさせていただいております。
当社ではこのような製作手法で『塗型カバー』を製作しております。
『塗型カバー』を使っての「塗型」施工は、下の画像でイメージお願いします。
塗型施工前の金型部品を準備します。
金型部品に『塗型カバー』を被せます。
塗型施工をします。
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