グイチ修理
加工技術
2020.02.04
「グイチ」とは、金型を2部品以上に分割した際、パーティング面(分割面や見切り面のこと)を境界にして出来るキャビティ形状の段差のことを呼ぶ。
榮製機、金型事業部は、現在の主力金型商品はアルミ重力鋳造金型とアルミ低圧鋳造金型である。
金型が新しい間は、初期設定で「グイチ」を発生させている部分以外では「グイチ」はありません。
しかし金型を使い込んでいくと、溶湯アルミと接触する部分はダメージを受け、溶損と呼ばれるキャビティ形状の磨耗が進行する。
溶損磨耗の具合が一律、一定ならば「グイチ」は発生しないのだが、溶湯アルミが激しくぶつかる部分は溶損が激しくなることがほとんどです。
金型の溶損磨耗がキャビティ形状内で一定ではないため「グイチ」が発生して、金型の修理が必要になる場合がある訳です。
アルミ鋳造品を見れば「グイチ」があるのは目で見て分かるのだが、実際の金型の磨耗状態が分からないと、パーティング面に対してどちら側を修理する必要があるのか、両方とも修理をする必要があるのかがはっきりと分かりません。
金型の磨耗状態が一目で分かるように、非接触測定で金型を測定し、3Dモデルとの差をカラーマップ化したものを参考にして、金型のどの部分を修理するかを決定します。
金型部品をそれぞれ測定し、それぞれカラーマップ化したものを見比べて「グイチ」を見極めてどの部分を修理するか決定するよりも、それぞれ測定した結果を、金型のアセンブリ状態でカラーマップ化することが出来れば、視覚的に簡単に見極めることができると考えた。
3D計測したデータを管理・解析するためのソフトウェアである、PolyWorksのサポートセンターに何度も問い合わせをして、やっと作ったカラーマップが下の画像になります。
この画像は修理後のもので、パーティング面を境界に目視比較が非常に簡単で、このカラーマップレポートを作成できたことに満足している。