次につなげよう

次につなげよう

エッセイ

2020.05.06

榮製機 金型事業部で作っている金型の多くが自動車業界向けの金型で、その中でも「鋳造型」と呼ばれるジャンルの金型がほとんどです。

金型を使って成型している多くの企業は、金型を保全するチームやグループを保有していることが多く、その規模は分解組付けをする位だったり、溶接機を保有してちょっとした修理なら対応してしまうものだったり、そこらの金型メーカーを凌ぐ一通りの工作機械やCAD/CAMや測定機を保有していて、なんでもできそうなレベルだったりと様々です。

直接の引き合いではないのですが、某有名自動車メーカーが自社の型保全チームで修理を試みて、思ったように修理ができず困っていた案件がありました。

結構古い金型で、材質がFC(普通鋳鉄)の金型部品で、磨耗している部分を溶接で肉盛りをして寸法を復元する修理です。

当社としても「得意分野です」と自信をもって言えるものではありませんし、古いFC材料の金型修理はずいぶん久しぶりでしたが、やらなきゃ上手く行くか行かないか分からないし、今後も継続的に「やらないよ」になってしまうだろうし、修理スキルも向上しないだろうし、次のチャンスはないだろうし、と言うことで受注することにしました。

幸い、納期までの期間はたっぷりありましたので、妥協をせず「これでどうだ!」と胸を張って言えるような仕事にしようと決めました。

特に今回は、お客様が上手く修理できなくて困っている案件に対しての対応になるので、『次につなげるための挑戦』としては申し分ないとも判断しました。

実際に修理を体験して感じたことは、マシニングセンターによる機械加工スキルと言うよりも、溶接のスキルと溶接後に発生するヒケの処理スキルが出来栄えを大きく左右するということです。

出来栄えを判断するには、目視で美しく仕上がっていることが第一で、その後に非接触測定を行い、寸法的に保証されたものであるかまで調べる必要があります。

実際に目視で合格だったものを非接触測定したら「寸法不合格」で再修正をした部分が2個所ありました。

「もうこれ以上は品質を上げることはできない」ってぐらいにして、お客様に納入し無事に受け入れていただけました。

今回の受注に関しては相当な工数を使ってしまったので、収益的には褒められたものにはなりませんでしたが、お客様には一定の信頼は得られたと思っていたところに、次の修理引き合いがありました。

これは大変うれしいことで、「次につながった」が結果として現れたものだと思っています。

お客様の信頼は維持したまま、修理スキルを上げて、収益的にも満足できるものにして行き、従業員の方々にも取り組みたい受注だと思えるものにしたいと考えています。

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